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『事故物件ゾク 恐い間取り』から学ぶ、買うべき事故物件・避けるべき事故物件
2025-08-18

『事故物件ゾク 恐い間取り』から学ぶ、買うべき事故物件・避けるべき事故物件

近年、映画や書籍をきっかけに「事故物件」への関心が高まっています。ホラーの世界観は誇張もありますが、“住まいに潜む目に見えないリスク”を直感で理解する教材として意外に有用です。本稿では『事故物件ゾク 恐い間取り』を入口に、現場の実務として「買うべき/避けるべき」の線引きとチェックポイントを整理します(映画の紹介はネタバレなし)。


1. 事故物件=「心理的瑕疵物件」とは?

不動産で言う「事故物件」は法律上の厳密用語ではなく、実務では心理的瑕疵(その出来事を知ると心理的抵抗が生じ得る事情)に該当するものを指します。
国のガイドラインにより、売買・賃貸それぞれで告知の要否の考え方が整理されています(民事責任の判断とは別枠)。


2. 告知義務の基本ルール(要点)

  • 自然死・日常生活内の事故死:原則告知不要。ただし長期放置に伴う特殊清掃・大規模リフォームがあれば告知対象。

  • 自殺・他殺・上記以外の事故死

    • 賃貸…発覚から概ね3年で告知不要の目安(ただし事件性・周知性が高い場合は継続告知)。

    • 売買期間指定なし、個別判断。

  • 隣接住戸・共用部での事案:原則不要だが、特殊清掃や周知性が高い場合は要告知。

  • 質問があった場合:経過年数や死因に関わらず、把握している事実は説明必須


3. 映画『事故物件ゾク 恐い間取り』が教えること(ネタバレなし)

前作『事故物件 恐い間取り』の続編として、“いわく付き”の空間を連作的に体験していくホラー作品。
若者が「事故物件住みますタレント」として、タイプの異なる物件に次々と向き合う構成で、たとえば——

  • 必ず取り憑かれる部屋

  • いわくつきの旅館

  • 降霊するシェアハウス

——など、章ごとに恐怖の質感が変わるのが特徴です。
不動産の実務とは距離があるものの、観客は**“心理的瑕疵”に対する人の反応(躊躇・恐れ・噂の拡散)を体感的に理解できます。これは現実の「周知性」「入居付けの心理ハードル」「出口戦略の難易度」といった判断軸に置き換えられる良いシミュレーション**になります。


4. 「買うべき」事故物件の条件(=“あり”)

  • 相場から1〜3割以上のディスカウントが“数字で”確認できる

  • 出口戦略(再販・賃貸・保有期間・募集家賃・表現方針)が明確

  • 周知性が低い/金融機関の担保評価・与信に大きな毀損がない

  • 自己使用で心理抵抗が小さい(実需は心の納得が最優先)

5. 「避けるべき」事故物件の特徴

  • 事件性・社会的影響・報道露出など周知性が極めて高い

  • 融資姿勢が厳格で、自己資金過多→IRRが細る

  • 将来の告知負担リーシング長期化を織り込むと、割安幅を食い尽くす


6. デューデリ・チェックリスト(現場で使える実務メモ)

  1. 告知書・経緯:発生時期/場所(専有・共用・隣接)/死因/特殊清掃・工事の有無と範囲。

  2. 物理的リスク:臭気残留・害虫・下地・配管・スケルトン修繕の必要性。

  3. 周知性:報道履歴・SNS・口コミ・近隣ヒアリング。

  4. リーシング実績:事故後の賃料の下振れ空室期間、広告出稿履歴。

  5. 金融・保険:担保評価、保険引受の可否・特約。

  6. 出口戦略:再販時の価格帯・媒体・告知表現案、ターゲット像(投資家/実需)。

  7. 表現整備:重要事項説明・広告コピーの過不足と整合(個人情報配慮)。


7. 数字で割り切るための“超シンプル式”

必要ディスカウント ≥
(将来売却時の割引期待+保有中の賃料ディスカウント+リーシング長期化コスト+追加工事・清掃費+風評対策の手間)
−(立地優位・金利差益・付加価値改修の上振れ)

この不等式が満たせるなら“あり”。満たせないなら**“なし”**が合理的です。


8. まとめ(社長の見立て)

  • 投資:割安幅が上式を明確に上回るなら“買い”。数字が曖昧なら“見送り”。

  • 実需:少しでも心に引っかかるなら“やめる”。暮らしの満足度は投資以上に“心理”の影響を受けます。

  • 実務:賃貸は「概ね3年」の考え方がある一方、売買は個別判断。質問があれば年数・死因を問わず告知が原則。

映画はあくまでフィクションですが、リスク感覚を磨くトレーニングとしては一見の価値あり。
心理的瑕疵×間取りリスクの二軸で、冷静かつ戦略的に意思決定していきましょう。

ページ作成日 2025-08-18

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