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新築マンション転売で逮捕?「反復継続」がアウトになる条件とは──売却で気をつけたい5つの要素
2025-08-13

新築マンション転売で逮捕?「反復継続」がアウトになる条件とは──売却で気をつけたい5つの要素

こんにちは。ロケット不動産の渋谷です。
今日は**「短期売買(転売)を繰り返すと“業”と判断されるリスク」**について、今年3月に静岡県で起きた宅建業法違反の逮捕報道を入口に、実務での注意点と最新の規制動向を整理します。


何が起きた?(2025年3月の逮捕報道 → 4月に罰金命令)

静岡県富士市で、知事免許を受けずに複数回の売買を行った疑いで46歳の男性が逮捕されました。
報道によると、2022年9月~2024年5月の間に4件を売買し約650万円の利益を得たほか、40件超の取引が確認され、余罪も調査されたとのことです。
続報では、2025年4月に富士簡裁が**罰金40万円の略式命令(宅建業法違反)**を下したと報じられています。

重要なのは、このケースで問題視されたのが**「免許なしで“業として”反復継続的に売買していた」**という点です。


「業として」の判断基準(国交省の公式基準)

国土交通省の**「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」**では、“業として行う”かの判断を次の5要素の総合評価としています。

  1. 対象者(不特定多数か)

  2. 目的(利益目的か)

  3. 取得経緯(転売目的か)

  4. 態様(自ら募って直販か/仲介依頼か)

  5. 反復継続性

※一つでも該当すれば即アウトではなく、あくまで総合判断です。


実務の肌感覚メモ

  • 短期 × 複数回 × 利益目的 × 自力集客は事業性評価が一気に上がります。

  • 仲介会社に依頼することは事業性を下げる要素ですが、回数・目的・集客態様によってはなお**“業”と見なされる余地**が残ります。


競売での「仕入れ」も“売買”に含まれる(最高裁)

競売で落として転売するのは不動産業界でよくある手法ですが、
最高裁(2004年12月10日決定)は、競売の買受け行為も宅建業法上の「売買」に当たると明言しています。
つまり、競売だからといって別枠扱いにはならず、無免許で反復継続すれば違法となります。


罰則は重い

宅建業法12条「無免許事業等の禁止」に違反すると、79条の罰則が適用されます。

  • 3年以下の懲役

  • 300万円以下の罰金

  • 懲役と罰金の併科もあり

“知らなかった”では通用しません。


新築マンション購入でありがちな“勘違い”ケース

ケースA:入居前に事情が変わり1件だけ売却

  • 原則OK。自用予定が崩れた単発の売却は通常“業”とは評価されにくい。

  • ただし広告・直販・利益目的の色が濃いと評価が変わるリスクあり。

ケースB:短期で複数戸を自己名義で仕入れ→リフォーム→直販

  • 事業性が高い組み合わせ(①不特定多数に販売、②利益目的、③転売取得、④直販、⑤反復継続)

  • 免許なしなら違法リスクが極めて高い。

ケースC:家族・知人名義を使っての売買分散

  • 名義貸し・脱法スキームとみなされる恐れ。実態で判断されます。厳禁。


実務チェックリスト(保存版)

  • □ 売却目的は生活事情・資金需要か(利益至上ではないか)

  • □ 年内の売却件数/期間は過度に密集していないか

  • □ 広告・SNSで不特定多数に自分で募っていないか

  • □ 仲介(免許業者)に一貫して依頼しているか(直販を混ぜていないか)

  • □ 取得経緯が転売前提になっていないか(相続・住替えなら事情を文書化)

  • □ 名義の整合性(名義貸しNG/登記・共有者同意は万全か)

  • □ 税務・登記・契約不適合等の書類整理は完璧か


最新規制動向:千代田区「5年転売禁止」要請

2025年7月18日、東京都千代田区は投機目的のマンション取引を防ぐため、
不動産協会(不動協)に「転売禁止」特約の設定を求める異例の要請を行いました。

要請内容

  • 購入者は引き渡しから原則5年間、転売できない特約を設ける

  • 同一名義での複数物件購入を禁止

  • 対象は市街地再開発事業や総合設計制度を活用した新築プロジェクト

背景

  • 海外を含む投機目的の取引増加

  • 過度な価格上昇・賃料高騰で区内居住が困難に

  • 空き住戸増加による管理組合運営や住環境への悪影響

  • 区民から「人が住んでいないマンションがある」との報告増加

「5年」という期間の根拠

  • 譲渡所得税の「短期(5年以内)」と「長期(5年超)」の税率差を参考

  • 将来的に短期譲渡の税率引き上げを国に要望予定


Q&A:よくある誤解

Q. 回数の明確な線引きは?
A. 数だけの機械的基準はありません。短期に複数回、利益目的、自力集客が重なると事業性評価が高まります。

Q. 仲介会社に出せば“安全”ですか?
A. 仲介依頼は事業性を下げる一要素に過ぎません。反復継続×利益目的が強ければ免許不要にはなりません。

Q. 競売での仕入れは別枠?
A. 別枠ではありません。最高裁は“売買”に含むと明言しています。


社長の結論:「ケースの設計」が9割。迷ったら“先に”相談を

新築マンションの短期売却を含む売買計画は、取得時点から設計が必要です。

  • 売却理由の文書化

  • 広告態様の管理

  • 回数・期間のコントロール

で、事業性評価を不用意に上げないことが重要です。

競売・戸建てリノベ転売・複数戸同時売却はとくに要注意。
免許スキームや法人化を含めた適法な枠組みを必ず検討しましょう。

ページ作成日 2025-08-13

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